「あな、かぐわしき珈琲の香り、我を夢幻へと誘うなり」
というわけで・・・何がというわけなのかは私もわかりませんが・・・今回は「珈琲の話」です。それにしても、この当て字!素敵だと思いませんか。外来語の当て字の中では傑作だと私は思っています。一説によると、この当て字の作者は江戸時代の蘭学者「宇田川榕庵」さん。オランダ語の辞書をつくるときに当てたものだそうです。「珈」は婦人の髪飾り、「琲」は珠をつらぬいて作った飾りを意味していて、なんともロマンチックです。日本での歴史はそう古くはありませんが、実は日本のコーヒー消費量はアメリカ、ドイツに続いて世界第3位。年間一人あたり300杯は飲む計算になるそうで、立派な消費大国でもあります。特許こそ取れませんでしたが、インスタントコーヒーの発明者も日本人(加藤サルトリ博士)なら、缶コーヒーも日本発です。日本人の生活にしっかり根付いたこの飲み物。「葉」ものではありませんが、「茶」の仲間として扱うこととします。実は私も「お茶」よりも普段は「珈琲」を愛飲しております。
では、「珈琲の話」をどうぞ。
珈琲桜坊
無理やり漢字をあてようとして失敗しました(笑)、「コーヒーチェリー」のことです。御存知のとおり、珈琲はコーヒー豆からできます。豆がある以上は、実も当然あるわけで、その実のことを「コーヒーチェリー」といいます。前記の「宇田川」さんは、この実をつけた状態を漢字にあてたのでは・・・と思います。赤い実です。珈琲の木はアカネ科の常緑樹。原産地はエチオペア。ここからアフリカや中南米へと広まっていったわけですね。「ティー・ベルト」と同様に「コーヒー・ベルト」という産地帯も赤道を中心として存在します。栽培国は60数カ国にものぼるといわれています。しかしながら、珈琲の木の主な品種は三種類。これを「三大原種」と呼んでいます。(私が勝手に呼んでいる・・・わけではありませんよ。)
「三大原種」とその特徴です。ご覧ください。
アラビカ種(原産地エチオペア) 生産比率およそ80% ほとんどの珈琲がこれです。香り・味のバランスが良いと言われています。
ロブスタ種(原産地コンゴ) 生産比率およそ20% 主にインスタントコーヒーなどの使われています。
リベリカ種(原産地リベリア) 生産比率1%以下。ほとんど幻の珈琲です。自国消費で一部地域でしか飲まれていません。苦味が強いとか・・・
つまり、これらの原種の木から改良が加えられて何十種類の珈琲の木ができ、それらを60数カ国で、それぞれに適した方法で栽培されて作られているわけです。ちなみに、珈琲の木は1年で約1mのび、ほうっておくと10mから15mにも成長するため、5mくらい(5年)になると2mほどで切り、収穫しやすいようにします。15年たつと、今度は根元から切って新しい芽を出させるそうで、一本で30年くらいは持たせるとのこと。人の一生は、珈琲の木2本と半分くらいなわけですな。
お豆さんのお名前
珈琲のお名前は、国名、地名、出荷する港の名前からつけられることが多いそうです。例えば、有名な「キリマンジャロ」はアフリカのタンザニア産ですが、キリマンジャロ山の山すそでつくられたので、そのまま「キリマンジャロ」と呼んでいます。これは地名からですね。どれくらい種類があるかは、私も不勉強でわからないのですが、有名なものを下で紹介しておきます。ワインにソムリエがあるごとく、珈琲にも、その道を極めた「マイスター」制度があります。以下のものを飲み比べて、挑戦してみてはいかがでしょうか。ちなみに私にはとうてい無理でありましょう。
ブルー・マウンテン 有名な「ブルマン」ですな。珈琲の最高峰とも称されます。ジャマイカ産
グァテマラアンティグア 高地栽培の最高級品。香りよし。グァテマラ産
メキシコ そのまんまメキシコ産。酸味と甘みが特徴
エルサルバトル 甘みがあって飲みやすいお豆さん。
ホンジュラス 手づみのため、品質良好。くせのない味
ブラジル 世界の珈琲豆の30%はブラジル産。ブレンドするときに重宝する味。
コロンビア コクと苦味。ストレートで飲むのが良い。
ケニア 強い酸味が特徴。
モカ 珈琲の代名詞。香りに特徴。エチオピア産
スマトラマンデリン インドネシア産。仲間に「トラジャ」さんもいたりする。
ジャワロブスタ インドネシアの80%はロブスタ種。アイスコーヒーに使用されたりする。
ハワイコナ ハワイ産。日本人経営の農園も多いが、コストがかかるため多少高価なお豆さん。
他のお茶同様、やはりもともとは「薬」的な役割を担っていた珈琲。「眠気ざまし」の興奮作用や、元気になる作用は昔から良く知られていたようです。疲れたときの一杯!即効性があるかどうかは分かりませんが、気分的に元気になったような気がする飲み物です。